ハワイ州で離婚申請するには、夫婦どちらか一方が、ハワイ州内に申請前6カ月以上住んでいることが条件となります。まず、夫婦のどちらか一方が離婚申請用紙("Complaint for Divorce")をハワイ州家庭裁判所に提出し、離婚申し立てをすることにより手続きが開始されます。離婚申し立てから、離婚が承認されるまでは、通常5-6ヶ月かかり ます。ただし、財産分与、扶養手当("Alimony")、親権、子供と面会する権利や、養育費などに関して、両者が同意できない場合には、裁判が長引くこともあります。 

ハワイ州では、"No Fault Divorce" (お互いの非を考慮しない離婚)が認められています。つまり、何か特別な理由がなくても、離婚の申し立てが認められます。そのため、離婚申請が提出されますと、相手の配偶者の反対にかかわらず、離婚が成立します。上記で述べた6ヶ月居住の要件を満たしている限り、たとえハワイ州以外の州や国外で結婚したとしても、ハワイ州で離婚をすることが可能です。 

アメリカ市民との結婚により永住権を取得した方や、配偶者ビザなどによりアメリカに滞在している方は、離婚することにより移民のステータスに影響することがありますので、万全の注意が必要です。 

裁判所より、配偶者が申請した離婚申し立てと召喚状(Summons)を受け取りましたら、20日以内に応答する("Answer" を提出する) 必要があります。 Answer を提出することにより、配偶者の申し立てに対し返答し、自分が求める離婚条件などを主張することができます。ですから、離婚申し立てに書かれている事実や離婚の条件などに、異議がある場合、必ず Answer を提出する必要があります。 Answer の提出を怠った場合、相手が離婚申請用紙に書いた事実や離婚の条件に同意したと見なされ、それらの条件に基づいて離婚が成立してしまいます。最終判決が一度下りてしまうと、その後の変更は難しいので、条件などの内容は慎重に検討する必要があります。 

財産分与 

ハワイ州では、結婚している間に築き上げたと見なされる財産又は債務については、夫婦間で公平に分与されます。ただし、財産を半分に分けることが、必ずしも公平な分与であるとされるわけではありません。また、夫婦間で分与条件に同意がある場合は、あまりにも不公平な分配でない限り、夫婦間の同意が優先されます。 

結婚している間に築き上げたと見なされる財産・債務は"Marital Property" と言いますが、それに反して、夫婦それぞれの財産・債務は "Separate Property" と呼ばれます。 Separate Property は、財産分与の対象とはなりません。

例として、次のものが Separate Property と見なされます。 

* 婚前より所有していた財産や債務。ただし、Marital Property と、分離不可能な混合をした場合にはこの限りではありません。 
* 婚前より所有していた財産により得た収入。この場合にも上記の例外が当てはまります。 

* 相続財産。この場合にも上記の例外が当てはまります。 

扶養手当 

ハ ワイ州では慰謝料というものはありません。ただし、裁判所により扶養手当("Alimony" 別称 "Support" 又は "Maintenance")の支払いを命じられることがあります。扶養手当の目的は、配偶者の収入によって生活していた夫、又は妻が自立できるまで扶養することにあります。それ故、 扶養手当は、永久に支払われる場合もあれば、一時的、例えば、新しく職を見つけるために通学やトレーニングをしている間のみ支払われる場合もあります。 

扶養手当支払い義務については、後に、身体的・経済的状況に大きな変化ががある場合に、変更の申し立てをすることができます

FAMILY LAW Child Custody/Child Support

 

監護権・子どもの援助

 

 親権・子供に会う権利 

親権に関しては、ハワイ州を含むどの州でも、子供の幸せを優先的に考慮した上で、両親、又はどちらかの親に親権が授与されます。もし、両方の親が、親権を持つのに不適切であると判断された場合には、他の者に授与される場合もあります。 

裁判所は親権授与の判断をする際、さまざまな状況を考慮します。時として、子供の意思を考慮に入れる場合もあります。又、子供の幸せのために必要と判断されれば、離婚成立後でも、親権変更の申し立てが認められます。 

養育費 

ハワイ州では、養育費は従来定められているガイドラインに沿って、決定されます。主として次の点が考慮されます。 

* 財産・所得・給与。 

* 今後の収入の予測。 

* 生活費。 

* 借金の際に信用を保証する支払い能力。 

* 養育する子供の生活必要費。 

* 養育費を支払う側の、扶養家族の有無。 

* 通学できる歳の子供がいる場合で、労働能力があるにもかかわらず、働いていない場合には、法定最低賃金にて30時間労働したことによって得られる収入があると見なされます。 

O つまり、働いていないという理由のみで、養育費の支払いを逃れることはできません。 

養育費支払い命令は、両親の経済的状況が変わった時点で、変更されることもあります。 

支払い義務保持者が、養育費支払い命令に背いて、支払い拒否、または滞納した場合には、支払われる権利を保持する親は、Hawaii Child Enforcement Agency の協力を要請し、養育費を徴収してもらうことができます。

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